2011年8月25日木曜日

「マイ・サバービア3曲」原口高弘(harmony)

  

①The Pale Fountains / Reach
②Colin Blunstone / Caroline Goodbye
③Theo Parrish / Solitary Flight

①今から20年前、当時も今とかわらず、僕は、ただただレコード屋に通っていました。大学と図書館とレコード屋を往復する毎日。ZESTだったり、VINYL JAPANだったり、DISK UNIONだったり。そんな中、Suburbia Suiteと名付けられたフライヤーに出会いました。フライヤーというよりジンと言った方がよいでしょうか。当時の音楽雑誌は、どれもピンとこなかった僕は、NMEを定期購読するなどして音楽情報をゲットしていたのですが、このSuburbia Suiteには、どこかほっとしたのを覚えています。そんな僕が、サバービアにまつわるフェイヴァリット曲をまず最初に挙げるとしたら、これしかないように思われます。「Reach / The Pale Fountains」。 LPやCDの日本盤についている歌詞カードには、「Reach,  hey, for the sky」と聴き取りによる歌詞が載っていました。ただ、僕には、何度聴いても、「Reach, head for the sky」と歌っているように聴こえるのです。「手を伸ばせ。空に向かって。」と歌っているのだと、今でも僕は思っています。心がどこかに向かって行こうとする瞬間を永遠に閉じ込めることができた稀有の名曲です。橋本さん、Suburbia Suite 20周年おめでとうございます。それは、誤解を恐れずに言うなら、とりもなおさず、橋本さんが、ただ自分の心の向かう先を信じて20年間進んでこられたということだと思っています。それがどんなに難儀なことか。「Suburbia Suite ; Evergreen Review」のページを開くと、最初に登場するのは、もちろん、The Pale Fountains。

②初めて「Free Soul」のCDを聴いたのは、友人の部屋でした。従来「ソウル」とカテゴライズされていなかったこの曲が、流れてきたときの驚きは、忘れられません。部屋に響くアコギの音に、冬の匂いを感じました。

③もし、今、新しいSuburbia Suiteが出版されたとしたら、この曲が取り上げられるのではないでしょうか。最近、橋本さんがDJでこの曲をプレイされていることを、もっと多くの人に知ってほしい。橋本さんと一緒に「harmony」というDJパーティーを定期的に開催するようになり、デトロイト・ハウスの魅力を知りました。そして、それはSuburbia Suiteの延長線上にあるのだと思っています。

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